Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(2-4)
どのようにブロックは眼の姿勢と視覚の解釈との間の関係を発見したのだろうか。
確かに、彼は斜視を持つ患者から多くを学んでいた。しかし、もうひとつ、彼の洞察の源が存在していた。(*1)
それは講義ノートの30ページに載っている。
そこで彼は、どのようにしばしば複視を体験したのかを述べている。
それは信号を見ている時に起こり、断続的に目の位置が相違することが原因であった。
彼はそのことについて、こう書いている。
「それは単なる融像の問題だったのだが、その結果いつもとはかなり大きく異なる風景が見えた。」と。
そう、ブロック自身が目の位置の変化がもたらす視覚的な解釈変化を経験していたのだ。
(*1) なんと、フレデリック・W・ブロック医師は自分自身が斜視を経験していた検眼医でした。
だからこそ、患者に対して親身に、その人全体を見るやり方で接することができたし、自分で自分の斜視を治したことがあるからこそ、多くの患者の斜視を治すことに成功していたのではないでしょうか。
今の日本には自分で自分の斜視を治したことがある眼科医の方はどれくらいいるのでしょうか?