斜視治療エス

"斜視"を治すために、わたしたちが、できること。

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(3-5)

何年も複視を持つ人を相手に働いてきて、ブロックはこう結論づけた。 「複視、あるいは異常対応は"破壊"する必要はない」、と。 もし複視を持つ患者の眼を普通の両眼姿勢の位置に移動させたとしたら視覚世界を普通の両眼視で解釈できるようになり、結果とし…

精読について

ずっと、読書は早く読めることが善だと思っていた。 たくさん読める人こそが読書家と呼ぶに値するし、古典とか有名な本をたくさん読んでいる人が読書家としての評価に値する人なのだと思っていた。 だから、速読の勉強をしようとしてみたこともある。結局上…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(3-4)

患者は、普通の両眼視をするためには融像努力をしなければならない。 したがって、眼を回転させることで埋め合わせるという消極的な妥協(手術やプリズムでの補正も含む)では、日常的な立体視は得られないのだ。 また、両眼視するよう人を訓練させるときには…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(3-3)

ブロック博士は初めて斜視の患者と会うときは"攻撃する場所"、つまりその人が両眼姿勢になる空間の距離幅を探すのに多くの時間を費やした。ひとたびこれが見つかると、患者はこの空間のほんの外側でも両眼姿勢が取れるよう課題を与えられた。 こうした課題は…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(3-2)

同じことがブロックの見てきた患者の多くにも当てはまる。 "ほとんど全ての斜視を持つ人々は偶然同時視をするときがある。 この事実が一般に知られていない理由は、ただ、私達のほとんどが斜視になるという厄介事を、この事実を発見するために抱え込む、とい…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(3-1)

「協調して動こうとする自然の傾向が人にはあり、そしてそれは最小のエネルギーで達成される。」 ブロックは、自分の眼の状態(*1)を、”網膜のちょっとした間違い”、つまり適切な斜視として述べた。この状態の時、2つの中心窩はもはや整列しておらず、立体知…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(2-4)

どのようにブロックは眼の姿勢と視覚の解釈との間の関係を発見したのだろうか。 確かに、彼は斜視を持つ患者から多くを学んでいた。しかし、もうひとつ、彼の洞察の源が存在していた。(*1) それは講義ノートの30ページに載っている。 そこで彼は、どのように…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(2-3)

両眼視をするためには、両眼感覚野が存在すること、そして中心窩(*1)間の協調が必要になる。ブロックは断固として次のように主張した。 「両目が協調しているときの網膜の領域は、2つの中心窩と、そしてそれぞれの中心窩の同じ側から等距離にある領域とから…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(2-2)

眼の姿勢と視覚解釈との間の関係に導かれて、ブロックは眼のトレーニングのルールを作り上げた。彼は眼の姿勢を3つの基本的な種類に分けた。(*1) 両眼姿勢---この姿勢では、焦点を定めた1つの物体を見る時に両方の眼を同時に使う。(*2) 単眼姿勢---この姿勢…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(2-1)

「姿勢をどうとるか」こそが「反応がどうなるか」を決めている 「姿勢をどうとるかこそが反応がどうなるかということを決定しているのである…眼が斜視の姿勢をとっているときは、その人は斜視的に考えている。しかし、彼の眼が正常な姿勢になったとき、斜視…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(1-5)

私がブロックによる斜視の説明にとても驚いたのは、特に私がビジョンセラピーを受ける前は読書中どのように眼を使っていたのかを知った時だった。 私は片目で文章を凝視する一方で、もう片方の眼を25プリズムジオプトリ(*1)回転させていた。したがって、見て…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(1-4)

フレデリックブロックは講義ノートを「生物の法則」として体系付けられた基本原則のリストで書き始め、ときおり人のことを一般的に「生物」として言及した。 これらの用語は現代に生きる私達の耳には奇妙に聞こえるかもしれないが、ブロックによる、カートゴ…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(1-3)

パートリッジ夫人が私にくれた論文はすべてSUNY検眼校に存在するものだった---- 一つの例外を除いて。 それは未公表のもので、タイプライターで書かれた原稿だった。 タイトルは、「斜視に関する講義ノート」と名付けられていた。(*1) このノートはブロック…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(1-2)

2006年に、私の立体視の物語、「立体視のスー」(*1)が初めてオリバー・サックス博士によって書かれ、ニューヨーカーで発表された。 その公表から1週間後のこと、私へのインタビューがあるラジオ番組、NPR(*2)の朝の回で放送された。多くの手紙、メールがそ…

Dr.Frederick.W.Brockの知恵と業績(1-1)

フレデリック・W・ブロック(*1)は他の誰よりも斜視のことを理解していた。しかし、視覚に携わる専門家はほとんどが彼の業績のことを全く耳にしたことがない。 もしその名前を認識しているとするなら、それはおそらくブロックストリングからの連想においてだ…